「社会主義」の問題点

今回は「社会主義」の問題点について、中川八洋氏の著書『保守主義の哲学』から抜粋してご紹介します。


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社会主義は新しい合理的な社会を人為的に創造しうると考えるもので、それは人間が万能の神と同じ能力をもつものとの妄想を前提にしている」(p.258)


「ルソーの『自由が完全に消えた新しい社会』構想がフーリエ/コント/マルクスらに継承されて、社会主義思想の根本をつくったのである」(p.288)


「偽りを真実と、悪を善と、相対主義的に扱って、真偽の消滅や善悪の消滅にいたった社会をユートピアだと妄信する宗教が社会主義である」(p.298)


無神論・唯物論の社会主義思想が悪魔性をもつことは、(非権力側の)すべての個人から自由を完全に奪って『奴隷』にする、つまり社会そのものを監獄にするイデオロギーであることにおいて明らかだろう」(p.255)


「ドストエフスキーは、社会主義とは、……個人がガラスごしに24時間監視し統制する社会だと喝破していたのである」(p.260)


社会主義的人間とは、権力に命じられたとおりに食べ、着て、生殖する、自我を喪失した夢遊病者のごときものである」(p.260)


「ドストエフスキーの社会主義についての予見――全体主義体制になる自由はない個人は独裁権力に永久服従する/その他――はことごとく的中した。が、はずれたものが一つだけある。それは自由放棄の代償として人民に与えられるはずの『飽食』や『幸福』すら、レーニン/スターリン下のソ連や金正日の北朝鮮が証明したように、決して与えられなかったことである。すなわち、社会主義とはすべてを喪失することである。『地上現世の地獄でのたうちまわることである」(p.264)


以上、「社会主義」の本当の恐ろしさを、改めてご確認頂けたのではないでしょうか。

保守主義の教科書

当ブログでは「保守主義」(Conservatism)とは何か、「保守主義」に基づく様々な見方など、日本における「真正の保守主義者」である中川八洋(やつひろ)筑波大学名誉教授の著書から紹介していきます。

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